自分のサイトという城を手に入れました、みんとです。
やった~!うれし~!!
これのためにサーバーも契約したし、これでソーシャルの目に一喜一憂しないでのんびりできるぞ~~~やった~~~~あたしのお家じゃ~~~~!!
このお城をどう使うのかは私しだいなわけですが、ここでは特にえすりのゲームの感想とか、SNSのタイムラインにそのまま放流したら配慮が足りないなって思うものを載せていく予定です。
ここに来ないと読めないですからね。検索避けまぁまぁ強めに入れてるし。
そんなこんなで、軽く前回の「あゝ恋しきみへ」の感想を綴っていきましょう。
源氏物語が題材で、しかも光る君が莇というまさかの展開でしたが、莇が心に持っている「母」という温かい存在を感じ、また莇が愛されていたことを再認識できました。莇が本当に愛されて産まれてきて、育てられてきた(今も育てられている)ことに触れられてよかったです。あとエッチなお姉さんみてぇな千景を浴びせられたイベストでしたね。
私は自分のサイト名(サークル名)を源氏物語の題名にするくらいには源氏物語の事が好きでして、告知の段階でお祭り騒ぎをしていました。
最初は光る君以外が彼に関わった女性を男性化したものかと思っていたのですが、まさかの外しをしてきましたね!「その時の光る君の心を具現化したような不思議な男性」なんて、雅すぎやしませんか…さすが柊さんの一座ですね。しかもそのラインナップに「桐壺更衣への想い」があったのもいい。
取り上げられた話とその登場人物の概要について、簡単にまとめてみました。お酒を飲みながらざっくばらんにまとめているので、流し見程度にご覧ください。
夢の男たちの概要
夢に出てきた男たちは前述の通り「とある女性に関わっていた時の光る君の心が具現化したもの」と理解できます。じゃあ、その男たちはどうしてあんな気持ちになっていたのか?ということを、原点の展開を元に、私なりに解釈していきたいと思います。
「桐」として現れたのは桐壺更衣への想い。
光る君のお母さんは彼が3歳の頃に病で死んでしまったので、光る君はその姿をおぼろげにしか覚えていないでしょう。それでも彼が生涯求めていた愛は、幼い頃に得られなかった母の愛に近いものだったように感じられます。そんな桐が「運命」と口ずさんでいたのも、光る君がこの世に生を受けた運命を授けた女性への思いとして描かれていたのかなぁと思いました。
桐壺更衣は帝に仕える女性の中でも身分が低い家の出身でした。そういった女性は身分の高い女性より帝の寵愛を受ける機会が少ないのがセオリーだったにもかかわらず、桐壺更衣はとても美人かつ桐壺帝のド好みだったので、それはそれは溺愛されたのです。桐壺帝は右大臣の娘という由緒正しい身分の正妻がいるにもかかわらず、卑しい身分の女にドハマりしていたというわけです。
素敵なシンデレラストーリーではありますが、それを面白く思わないのは他の女性たち、それも桐壺更衣より身分の高い人達です。彼女たちは桐壺更衣を陰湿にいじめ抜き、桐壺更衣はそれで心を傷めてやがて病気になってしまいます。もう長くないと悟った桐壺更衣は「実家に帰りたい」と帝にお願いしましたが、帝は桐壺更衣を手放しがたくて許さず、いよいよ彼女が死ぬ間際になって都を去ることを許されて、故郷でひっそり儚くなった可哀想な人です。光る君も母の故郷についていき、それから元服近くなるまで祖母に育てられていました。
だから母との思い出はないに等しいので、母への想いとして具現化していた「桐」が姿も知らない誰かを探し続けていたのだと思います。顔も知らぬ女性を追い求めていたのは、光る君の深層心理だと受け取れますね。
「空」として現れたのは空蝉への想い。
17歳くらいの血気盛んな光る君は、桐壺帝の息子ですが、この頃にはもう皇子としては扱われていません。
母親の身分が低いのと、帝の正妻が光る君をよく思っていないことがあって、帝が息子を守るために臣籍降下させていたためです。でも光る君はバチクソイケメンで、桐壺帝の子どもということは公認のことでしたから、この頃の光る君は皇子でなくてもブイブイです。
そんなある日のこと。約束していたデートが反故になってしまい、タイミングが悪くて家にも帰れず、たまたま近くの屋敷を宿にしていました。その時、暇を持て余した光る君は隣に女性の気配を察知し、俺様が抱いてやるよとその女性を自室に引き込んでペロリといただいてしまいます。その女性が「空蝉」です。なにしとんねんお前。
臣籍降下したとはいえ、光る君は政治のツートップである左大臣家の婿。バリバリのエリートイケメンの光る君と、中流階級の空蝉では身分の差が違います。むしろ抱いてくれてラッキー!となるのが平安期の恋愛事情です。光る君もそうだと思っていて、これを機に上流階級のタカビーな女性にはない、素朴な中流階級の女を楽しんでやろうと口説きにかかりますが、空蝉は光る君を拒否しました。これは光る君にとって初めてのことです。まさに「おもしれー女」展開です。
光る君はもうムキになって、空蝉の弟を探し出して自分の小間使いにし、その少年を通して彼女に手紙を送るというまぁまぁな手を使ってアプローチするも、成果はなく…。会うこともできないかと思っていた時、たまたま彼女が従姉妹と碁を打っている場面を見掛けて突撃。もう会いたくってしょうがねぇ。ようやく会える、その身を抱きしめられる!と飛び込んだ部屋には彼女の姿はなく、その身に付けていた薄衣が一枚、残されているだけでした…。
みたいな展開が原点のお話です。だから「空」は薄衣を抱いて恋わずらいに胸を痛めていたんですね。光る君にとって初めての失恋とも言えるんじゃないかなと思います。っていうかこの時の空蝉、すでに人妻なんですけども。身分が上の男に見初められたら、その夫は黙って嫁を差し出すなんて事はままあった時代ではありますが。
これは余談ですが、この後何年かの時を経て、未亡人となった空蝉に偶然再会する話があります。いろいろあって世間に疲れ出家した空蝉を案じた光る君は、彼女の後援となるんですよね。自分の想った人はたとえ結ばれなかったとしても大切にする、光る君らしいお話です。
「紫」として現れたのは若紫への想い。
来ました、光源氏ガチ通報案件の若紫。「光源氏計画」という言葉の元になったお話です。光る君が18歳の頃のこと。彼は当時流行していた感染症に罹ってしまい、都を離れて療養していました。
病が快復し、これで都に戻れると安堵していた時、たまたま通りかかった家から、無邪気な遊び声が聞こえます。何気なく覗いてみると、そこには「籠に捕まえておいた雀を逃がされた」と泣いている少女が居ました。のちに「若紫」と名付けられる、だいたい10歳くらいの可愛らしい女の子でした。雪白東がロリじゃなかった…
ところでこの時の光る君は、「桐壺更衣にめっちゃ似てる」と話題になって入内した藤壺女御と不倫していました。サラッと言ったけど、実父の後妻と不倫しているわけです。しかもカーチャンと似てるらしいって理由で。狂っとんのか?
もちろん知られてはいけない秘密の恋で、それに思い悩んでいる時期でもあります。不倫という関係にはなっていますが、光る君は藤壺女御を本気で愛していました。一番のマブです。秘めた恋を苦しく思うくらい、藤壺女御に心を捧げていました。そんなときに出会ったのが、「藤壺女御にめっちゃ似てる女児」です。
どうです? 運命でしょう? 何をしても手に入れたいって思いますよね?(思うな)
ビビッと来まくった光る君も、マブ似の女児に夢中です。しかしその頃、光る君のプレイボーイっぷりは有名になっていて、女児の保護者側にも「かわいい娘が光源氏に見つかったらヤバい」という空気はありました。危険人物やんけ。
結局、ほとんど連れ去るような形で光る君の擁護下に置かれた女児は若紫と名付けられ、大人になってその生涯を終えるまで、光る君の愛する人になるのです。
「紫」がこれからの未来に希望を抱いて浮かれ気味だったのは、隠れて愛することしかできない藤壺女御に似た女の子を手に入れて、その子との未来が確約されて嬉しい…という気持ちだったのではないかと思います。
言い方はアレですが、若紫は大人になって紫の上として光る君を支える大切な女性となったので、これもまた運命の出会いといえるのではないでしょうか。
「松」として現れたのは明石の君への想い。
取り上げられているのは「松風」という章で、そのメインヒロインは「明石の君」という女性です。この「松」の話をするためには、明石がどんな女性で、光る君とどんな関係があるのかを説明する必要があります。
発端は、光る君が手を出してはいけない女性に手を出してしまったことです。この時、政治は桐壺帝の息子、光る君の異母兄の朱雀帝に移っていました。朱雀帝のお母さんは右大臣の家系だったので、都は右大臣一族が優遇されていました。左大臣家系の光る君への風当たりは強く、この時期の光る君は不遇の時代を迎えていたのです。
ちなみにこの頃の帝政は、右大臣家系・左大臣家系で政治の主導権を競い合う構図になっていて、天皇家はそれぞれ右大臣・左大臣の家から嫁いできた娘に世継ぎを産んでもらっていました。つまり、自分ちの娘が帝の子どもを産めば、次の帝の親戚になれて勝ちというわけです。
そんな中、光る君が手をつけてしまった女性というのが、朱雀帝に嫁入り予定だった右大臣の6番目の娘だったのです。
おいおい、やべーよこれ、家運をかけた帝の嫁を嫁ぐ前に傷物にしちゃったよ。帝の嫁キラーかよ。
これはさすがの光る君も狙ってやったことではなく、彼女が右大臣の娘とは知らずに逢瀬していたのですが、会いに行くときに右大臣に鉢合わせるという、もうどんな言い逃れも許されねぇ事態に陥ってしまいました。
天皇に輿入れ予定の政敵の娘をたぶらかしたとのことで、そりゃぁもう大問題です。下手すりゃ流罪モノです。そうなっては光る君の家もやべぇということになり、光る君は流される前に地方に逃げます。なんか知らんけど、罪を糾弾される前に都から逃げたらセーフだったっぽいです。なにそれ。
で、地方(須磨)に逃げていた光る君ですが、そこで出会ったのが明石の入道というお坊さんです。明石の入道には大切に育てている娘が居て、その娘をぜひ、光る君に差し上げたいと思っていました。この時代、女性は身分の高い男性に嫁いではじめて安定を得る存在でしたから、明石の入道が愛娘を幸せにする手段といえば、都のエリートに嫁がせるしか道はなかったのです。
実際、明石の入道は娘を宮中の女性と遜色ないくらい教養のある女性に育てていたので、光る君のお気に召すと自信がありました。政敵から逃れ、今は拠り所のない光る君を明石の屋敷まで連れ帰り、娘と逢わせて、結婚してもらおうという魂胆でした。
この時、光る君は28歳、入道の娘である明石の君は18歳頃でした。光る君は田舎娘と侮っていましたが、歌を詠んでも琴を弾いてもとても上品で、しかも光る君に簡単にはなびかない「おもしれー女」でした。おもしれー女好きだなお前。
そして次第に、頭が良くてプライドをしっかり持った明石の君に夢中になっていくのです。やがて二人は惹かれ合い、明石の君は子どもを身籠もり、娘を産みます。この頃には都から光る君の罪が許され、彼は都へと呼び戻されます。
ところでこの時、政治を左右するほどに公にも頼られていたコンサル業が「占い」でした。光る君も例に漏れず、腕の良い占い師に自分の未来を占ってもらっていたのですが、やがて天皇の母となる娘を得るという予言をいただいていたんですね。光る君はこの明石の君が生んだ娘こそが、栄華への鍵だと確信していました。
前述の通り、この時代、天皇家以外が強い権力を得るためには娘を天皇家に嫁がせ、世継ぎを生ませて外戚(母方の祖父にあたる親戚)になる必要がありました。光る君もその道を意識していたのでしょう。
源氏は都に呼ばれてすぐに戻りましたが、明石の君と幼い娘を伴って行くことはできなかったため、先に都に戻って二人を受け入れる体制を整えることになります。「松風」はその時の様子を描いています。前提が長かった…
「松」が語っていた想いは『あの方に会いたい。とても会いたい人が居る』でしたね。「あの方」とは明石の君のこと。会いたきゃ会えば良いのに、なぜできないのか。それは、明石の君の身分が低いことと、光る君には「若紫」が大人になり「紫の上」となった妻が居ることに理由がありました。
かつて光る君の母、桐壺更衣が身分の差で後ろ指を指されたように、田舎の出である明石の君も身分のしっかりしている女ではありません。ちなみに、紫の上のお父さんは藤壺女御のお父さんの隠し子で、藤壺女御とは叔母姪の関係。さらに藤壺女御は先帝(桐壺帝より前の帝)の娘ということで、家柄は確かなんですよね。
明石の君は田舎者の自分が紫の上を差し置いて娘を得ているという事実に気後れして、はなかなか都に入ろうとせず、嵯峨大堰の山荘に引きこもってしまいます。
光る君は紫の上のことも気に掛けて、山荘になかなか行くことができない。妻がたくさんいることが普通の世の中でも、妻の序列には筋を通さないといけないんです。でも、このままでは明石の君も娘も不安定な生活を強いられてしまう。そんなこと気にせず好きな人だけ贔屓する人もいましたが、その結果どうなったか、光る君は身をもって知っていますし、明石の君に心酔しながらも紫の上を大切に思っていたのです。
そこで光る君は、明石の君が産んだ娘の養育を紫の上に頼むことにしました。今聞くとなにそれ? って感じですが、紫の上の顔を立てつつ、娘にしっかりとした後見をつけるためには最適の道だったようです。
光る君の思いである「松」が焦っていたのは、「明石の君チャンにも会いたいけど、紫の上チャンのご機嫌も取らなきゃいけない。ああ、焦れてしまう」みたいな感じだったのでしょうか。グーでいくぞ。
そのあと莇の光る君が「もう一人の大事な方ともうまくやってくれるだろう」というのは、「明石の君と紫の上はうまくやってくれる」ということです。実際にこの二人は明石の君が産んだ娘を通して協同関係になります。無意識に自分のことだと気付いていたのか、口をついて出たのでしょうね。
余談ですが、臣くんの衣装が法衣だったのは「松風」の表題の元になった歌
「身をかへて ひとり帰(かへ)れる 山里に聞きしに似たる 松風ぞ吹く 」
(尼の姿になって帰り来たこの山里にも、お父様と暮らした明石の浦と同じ松風が吹くのですね)
の「身をかへて(かえて)」の部分になぞらえて出家した僧の姿になっているのかな? と思いました。雅ですね。
「蛍火」として現れたのは玉鬘への想い。
来ましたね第二弾。「蛍」の帖の話です。えっ、ていうかそこ???? また前説明長くなりますけどいいですか????ってなりました。
これね、三角くん無邪気でかわい~ってだけの話じゃないんすよ。できる限りかいつまんで説明しますね。
「蛍」の段では、光る君は36歳になっています。繰り返します。36歳です。アラフォーです。バチクソイケメンなので、オジサンになってもイケオジなんでしょうね。でも36歳です。
一方、この時のヒロインである「玉鬘(たまかずら)」は22歳。今でも珍しくはない年の差ですが、それよりやべーポイントは、この玉鬘の生い立ちです。
昔、光る君と同衾した女が不思議な力で変死した事件がありました。その死んだ女と、光る君の義兄の間に生まれたのが玉鬘です。
待って待って、よく分からん。
えっとですね、整理すると、
- 光る君の一番目の奥さんに「葵の上」って人が居て、そのお兄ちゃんが「頭中将(とうのちゅうじょう)」
- その「頭中将」が囲っていた女が「夕顔」
- 夕顔は頭中将の正妻に嫉妬のあまりいじめられていて、隠れて暮らしていた
- その頃光る君と知り合って、光る君と夕顔は共寝する仲になった
- 何度目かの同衾の時、夕顔が光る君の隣で死んだ(不思議な急死だった)
- 夕顔には頭中将との間に娘が居た。それが玉鬘
う~ん、なんだそれ。
で、その玉鬘は夕顔にめっちゃ似てて、夕顔が忘れられなかった光る君は、玉鬘を庇護下に置きました。またかよお前。
玉鬘は光る君からのアプローチに終始引き気味で、普通に嫌だと思っていました。素っ気なく返しても光る君はガンガン攻めてくる。もう怖すぎるし、いっそのこと違う誰かと結婚して逃げちゃおうかなって思うくらいには嫌でした。
そんなある日、玉鬘の元にラブレターが届きます。玉鬘は見とれてしまうくらいの美人だったので、都でも評判になっていました。そんな玉鬘チャンにラブレターを贈ったのは、兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)という若者でした。
この若者が玉鬘を好いていたのを知っていた光る君は、玉鬘に無断で返事を代筆し、彼を呼び出します。そしてホイホイと訪れた若者に、光る君が仕掛けた「いたずら」というのが、彼女が座す几帳の中に蛍を放つというものでした。蛍の光に照らされて、玉鬘の美しい横顔のシルエットが几帳に浮かび上がって、兵部卿宮はもうゾッコンです。好き好きラブレターを送りまくりますが、玉鬘にはつれなくあしらわれてしまいます。
以上の状況で「蛍火」の『この光で、愛する人を一番美しく見せることができる』と『蛍の光は人の心を惑わせる。そんな他愛のない悪戯も、時には楽しいものだ』というセリフをご覧ください。
これは私の解釈ですが、「玉鬘チャンを綺麗にできるのは俺だけなんだよ、お坊ちゃんなんてお呼びじゃねーのw」みたいな気持ちでやってやった。みたいな感じでしょうか。
玉鬘十畳の光源氏、キモめなんだよな…
「人の心を弄ぶのは感心しない」(自戒)
とはいえ、三角はその無邪気さを遺憾なく発揮していて、この蛍を放った時の「いくつになっても失われない光る君の少年心」というか、「こんなカワイイところが女性を惹きつけたんだな」って気持ちを引き出すのにピタっとはまっててイイとおもいました。
「藤」として現れたのは、藤壺女御への想い。
やはり来たな、藤壺…。
若紫のところで少し触れましたが、藤壺女御は光る君の実父である「桐壺帝」の奥さんです。光る君にとって、継母ともいえますね。そんな女性と、光る君は不貞を働いてしまいます。
彼らの出会いは、光る君が元服の時。光る君は11歳、藤壺女御は16歳でした。義理の母子でありながら、光る君は亡き母の面影を追うように藤壺女御を求めてしまいます。その情熱に押されて藤壺女御も光る君を愛してしまい、禁断の恋を重ねます。
そしてその末に藤壺女御は光る君の子をその身に宿してしまいます。二人はその秘密を二人だけの心にしまって、その子を帝の子として産むことにしました。托卵やんけ。
藤が語っていた『大事な人との愛しい記憶であり、罪でもある』『不安でたまらないし、愛しい人と会うこともままならず、決して埋めることのできない喪失感もある』というのは、不貞の子を授かってしまった罪のために、藤壺女御と会えなくなってしまった光る君の悲しみと受け取れます。自業自得ではある。
『どれだけ季節が巡っても、輝く太陽に焦がれて手を伸ばしてしまう――』
藤が零したこの言葉は、光る君にとって「太陽」であった母(桐壺更衣)を出発点に、移ろう四季のようにさまざまな愛を求めた彼の人生のあり方を表していたのではないか…そんなふうに思わせるお話でした。目覚めた後の光る君も、そんな風に感じていたようでしたしね。
最後の展開について
「そろそろ起きて、四季をまた巡らなければ」
このセリフで締めたのは、MANKAIカンパニーの、10代の少年に光る君を演じさせたからなんだろうなと思いました。
この脚本は話の流れ的に「幻」の内容をベースにしているのではないかと感じています。その内容は、52歳となった光る君が紫の上に先立たれ、自身も出家を決意して、俗世を旅立つ寂しさを色んな人との和歌のやり取りで表現するお話しです。
事実上、光る君の最期を描いたところで、52歳の光る君はこの世の無常を思い知り、四季の歌に乗せて人生の儚さを嘆きます。最愛の妻を失い、出家のため都を離れることになり、愛しい孫の成長すら見守ることができない。悲嘆に暮れた四季の歌が交わされます。
光る君の最期を思わせる話がベースになっている(と感じる)のに、柊さんがMANパニに託した最後のセリフからは「終わっていく四季」ではなく「始まりの四季」を感じました。これって、誰の得意技ですっけ? そう、皆木綴先生ですね。
ここからは完全な妄想ですが、柊さんは今のMANKAIカンパニーがすごく気に入っていて、皆木綴の甘ちゃんな本もまた、もう大好きになっているんじゃないかなって思いました。
役者が若いからという理由があったにしても、こんなにも「最期」じゃなくて「再出発」に描いたというのは、「MANKAIカンパニーがやる芝居だから」というのがあったんじゃないかなぁと感じたからです。柊さんの一座だったら、セオリーどおり四季に溶けていく光る君を描いたかもしれない。柊さんにとっての「MANKAIカンパニーらしさ」が、最後の展開に込められていたのではないか…と思いました。
そういう意味で、柊さんのMANKAIカンパニーへの愛情を感じた脚本でした。ありがとう光熱費支払いおじさん。
イベストの感想
ま~~~じ長くなってしまった…
大好きな作品をスーパーエモエモに書いてくださってありがとうエースリー。一生付いていきます。
莇のお母さんとの思い出の話でしたが、そのサポートに千景が入るのがとても新鮮でよかったですね。
きっと「母」という存在に対して真逆の想いを抱いている二人。でも、千景は家族を失った寂しさは理解できるから、莇の思い出を守ろうとしてくれたんですよね。
エモ…
あと小火の中、手鏡を取りに行った千景を信じて時間を稼ぐ至、めっちゃ良かった…至のあの距離感、ずっと好きだなって思います。自分にできることをしっかり自覚していて、誰かに何かを任せる勇気と度胸がある。できる社会人ですねぇ。
あと、今回のメンバーって家族関連の想いがある人達なのかなって思ったら「古市左京が選んだガチ営業用人選」だったのワロタ。三角を入れるのが逆に生々しい…こう、常識をちょっと外すところ、「アッ、インテリヤクザだ…」って思いました。
そして三角が古文をサラッと読んでるのも良かった…何あの子、可能性が無限大…やはり天才か…
あと、「光る君」の役作りに悩む莇をからかってた九門、ド攻めで湧いた。ありがとう命助かりました。
いいイベストだったなぁ…♡を付けられるようになったので、付けておこうっと。